前回大好評だったアラビヨを観に行かずに死ぬほど後悔したので、森ビヨこと「眠れる森のビヨ」を観劇してきました。
ネタバレなしで感想を聞かれたら
「美葉ちゃんイケメン」
としか言えないので、盛大にネタバレしながら私の解釈を載せておきます。
後日配信されることも発表されましたが、観るかまだ迷っている人に伝えたいこと↓
・伏線回収系が好きな方
・大きな音やダークな音が苦手な方
あらすじと解釈
観終わってまず最初に思ったのは、映画「パッセンジャーズ」に似てるなぁと。
アン・ハサウェイ演じるセラピストの主人公が、飛行機事故で生き残った5人の乗客のカウンセリングをしていく物語なんだけど、実は主人公も同じ飛行機に乗っていてすでに死んでおり、それに気付かない主人公のために周りの登場人物があらゆる手で「あなたはもう死んでいますよ」と気付かせてくれる話。
では森ビヨはどういう話かというと…
自分で描くシナリオ
主人公のヒカル(平井美葉)は高校2年生の演劇部員。大会を前にみんなと作品の題材について話し合っている。「コメディがいい」「童話がいい」など意見が割れ、長いこと揉めながら「眠れる森の美女」に決まる。その脚本をヒカルが書くことになる。
原作では「16歳の誕生日日没までに糸車で指を刺して死ぬ」という恐ろしい呪いと、眠り続ける魔法をかけられたオーロラ姫が、真の恋人からのキスにより目覚めるというラスト。でも捻りがないと感じたヒカルは、あえて眠り続けて幸せな夢を見続けるラストに仕上げるもののどこか自信がない。だが相談相手のツムギ(前田こころ)から背中を押されると、見事地区大会を突破する。
余談だが、オーロラ姫役はてっきりりかちゃんかと思いきやしおりんだった。りかちゃんだけ演劇部ではないため全体的に出番も少なく、ヒカル(とツムギ)にしか見えない設定で亡霊かと思われた。
県大会も突破し、次はブロック大会。
これを勝ち進めばいよいよ夢の全国大会となる。
初めはバラバラだった部員達の結束力も高まってきた矢先、舞台セットと衣装を何者かによって壊されてしまう。あと3日だし間に合わないと諦める部員達だったが、何もしないで諦めるのは早いと奮い立たせるツムギ。全員の頑張りもあり、なんとか修繕を終える。みんなの想いは頂点に達する。
ブロック大会を翌日に控え、部長の山上(江口紗耶)が「会場はバスで4時間かかるから朝の8時集合。遅刻したら罰として1分につき腹筋30回!」と告げる。
運命の10分
翌朝8時にヒカルの姿はなかった。
息を切らして到着するヒカル。
「腹筋300回!」と山上に叱られる。
ヒカルは来る途中に小学生の女の子に呼び止められ、10分遅刻したのだった。
ブロック大会に向かうバスは、対向車線をはみ出してきた車と衝突し転落。
ヒカル以外の部員と先生、運転手は死亡してしまう。
この時ツムギだけはヒカルの問いかけに答えていた。(即死ではない)
夢か現実か
実はこの事故は5年前で、ヒカルは5年間眠り続けていた。同級生だと思っていたヒマリ(島倉りか)は5歳下の幼馴染みで、あの日ヒカルを呼び止めた女の子だった。なのでみんなには見えていなかった。
ここからは考察。
生死を彷徨い、5年間意識不明だったヒカル。その間、夢の中では仲間達と全国大会を目指す青春の日々。ずっと高校2年生のまま。
そんなヒカルの前に時々現れる(実質)同級生のヒマリ。自分が呼び止めたことで事故が起きてしまい、責任を感じていたのだろう。ヒカルに目覚めてほしいヒマリは、見舞いに来るたびヒカルに話しかける。
演劇をダサいと感じていたヒマリ。
夢の中では脚本を書くヒカルの邪魔をする。
ヒカルは5年もの間、何度も稽古や演劇の夢を繰り返し見続けていた。
それは夢半ばで仲間を亡くし、現実を受け入れられないからだろう。
つまり最初からみんなは死んでいる。冒頭のシーンでもその伏線がある。
脚本のラストをあのシナリオにしたのも、夢から醒めたくない今の自分の理想そのもの。
題材がなかなか決まらないのも、5年という長い月日を表している。
というわけで、体は生きていても昏睡状態のヒカルを、あの世の部員とこの世のヒマリが呼び寄せるお話と解釈しました。
ヒカルが最終的にどちらを選んだのかは、劇中でお確かめください。
唯一わからない点
役名にヒントが隠されていると思うんだけど、何人かわからない。
わかった方はコメントで教えてください。
ヒカル→光(この世)
ヒマリ→陽(この世)
夢子 →夢
ツムギ→紡ぎ
ノゾミ→望み
カナエ→叶え
タマエ→給え
ネネ →寝
山上 →?
浜田 →?
ユッコ→?
ショーコ→?
キーパーソンのツムギは、夢を紡ぐためにあらゆる仕掛けをしている。衣装を破ったのも実はツムギだが、修繕可能な範囲で破っており、一致団結させるため。事実、諦めモードの部員を自ら鼓舞している。元々歌もダンスも下手でノゾミ(山﨑夢羽)にガミガミ言われていたツムギが現実でこんな自作自演をするはずがないので、衣装を破るのは夢の中の出来事。もしかすると歌やダンスが下手なのも、ヒカルと長く一緒に稽古するための自演かもしれない。
どんな手を使ってでも全国大会に行きたいノゾミ。勝つためにコメディをやりたいというあの強いこだわりは、負けた経験が何度もあるように思えた。(2年生なので実際には1回だけのはず)
このことからも、ヒカルは事実をベースに何通りもの夢を見ていたのだろう。
カナエ、タマエときてなぜノゾミ?と思ったけど、漢字にするとなるほどなと。
ネネは当てつけ。笑
感想
まずは美葉ちゃん。
冒頭、ブレザー姿で現れるんだけどイケメンすぎてびっくり。
いや、美葉ちゃんがイケメンなことは46億年前から知ってたけど、写真や映像で見るのとは比べ物にならないほどやっっばい男前。
こりゃ恋に堕ちますわ。
顔はもちろん、体も絞ってあって骨格も立ち振る舞いも男。
もうジャニーズにいても全然バレない。笑
9:1ってくらい台詞量もダントツで、見た目も中身も惚れるよね。ほんと凄い。
泣きながら歌うシーンもあり、あれ毎回やるのかと。きびちいね。
ハローに入ってくれてありがとうとオーディション映像を思い出してた。
主演が美葉ちゃんでよかった!!
同じく男役のいっちゃんも男にしか見えなくて。
座り方も研究したんだろうなぁ。
逆に前ここは衣装のサイズ的に女性の線が出てしまってもったいない。もうちょいズボンのサイズを上げてください事務所様。
衝撃の事故シーンは、事故経験がない私でさえ疑似体験しているような錯覚。
特にPTSDの方は注意が必要かも。
それぐらいリアルで怖かった。
死体はうーたんが一番上手かったさすが
体の不自然な捻り具合が特に。笑
ちょっと口の悪いゆはもハマってました。やっぱり美しいね。
過去にもビヨの演劇は見てきたけど、全員演技が上手くなってて自然体だった。
最後のシーンはみんな涙ぐんでたり、いっちゃんは涙をこぼしてたけど、千秋楽でもないのにあんなに泣けるってもう立派な女優だね。
りかちゃんはほとんど出番がなくてドレス姿見れるか怪しかったけどちゃんと見れました。歌も感情が込もっててよかった。
12人並ぶとほんと圧巻で、ビヨ最高って涙出る。今回も5列以内でめっちゃ近くで拝めました。
余談だけど隣の席の人が開始早々眠れる森のヲタになりました。最後まで目を覚まさなかったので体現してたんだと思います。笑
現場からは以上です。